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KA アキラ視点で

6月の梅雨時。
先週からずっと、雨が降り続いている。
むしむしした室内に、身体中に纏わりつくような湿気が鬱陶しい。
まだ電力の復旧に乏しいこの町で、またしてこの部屋に、冷房器具などない。
一日家で大人しく読書に耽っていても、嫌な汗をかく。
少し冷たいシャワーを浴びても、無駄。

この暑さ、この湿度、この熱気、どうにかならないものだろうか。

苛立ちが募り募った頃、

ピタッ
「っ!!?」

頬が急激に冷たくなった。

「アキラ、アイス食べる?」

隣を見ると、ケイスケがアイスの袋を目の前にぶら下げていた。

「あ、あぁ…」

袋を切って取り出された中身は、棒が二つついており、割ると半分づつ分けられる水色のアイスだった。

「はんぶんこ」

目の前で無邪気に笑ってから、アイスを割ってみせるが、

「あ゛っ!」

力の入れ加減を間違えたのか、それともただの不器用のせいか、片方だけ多く、もう片方は極端に少ない状態に割れてしまった。

「……」

訪れる一瞬の間。
残念そうな茶色の瞳と目が合う。

「あ、アキラこっち食べなよ!」

当然のようにテトリスに出てきそうな(『)という歪な形をした空色のアイスを差し出してくるケイスケに、首を振った。

「お前が食えよ。俺はこっちでいい」

そう言って、小さい方をケイスケの手から奪い取って口に入れた。

「あ、でも…!」
「いいよ。…あんまり食べると腹壊すし」
「う、うん。。。」

申し訳ないのであろう若干困った面持ちのケイスケを前に、冷たいアイスを舐め続ける。
一口飲み干す度に、体内を冷やす感覚が先程までの鬱陶しい温度を軽減させていく。
すぐにアイスはなくなったが、体温を下げるにはそれで十分だった。

いつも気が利くケイスケ。
必要以上に世話を焼きたがる性分は、たまに鬱陶しく感じることもあるが、それは当人の優しさでもある。

心なしか口元が緩む。

「うまかった。…ケイスケ、ありがとな」
「…! あ、う、うん…」

一瞬ケイスケが時が止まったかのように停止し、
「アイス落ちるぞ」
声をかけると同時にケイスケの手のひらへとアイスが落ちた。
手首を下っていくアイスを必死に舐め取りながらも、ケイスケは照れ気味な笑顔を見せた。


**

END
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シムピというよりただの日常日記になりつつあったり;
BLゲーばっかやってるただの腐女子です。

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